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介護用の車椅子はどう選ぶ?基本の検討ポイントと安全に介助するコツ

歩行困難な方の移動手段としてよく知られている車椅子。比較的ポピュラーなー介護用品ですが、車椅子の種類は多岐にわたるので慎重に選びたいものです。在宅介護に車椅子をとり入れたい方は、車椅子の役割や種類、選び方のポイントを確認しておきましょう。

 

目次

  1. 車椅子の役割は移動補助だけではありません
  2. どんな車椅子が必要?主なタイプをチェックしよう
  3. 適切な車椅子を選ぶためのチェックポイント
  4. 安全に車椅子介助をするコツと注意点
  5. 利用者に合った車椅子で移動を安全・快適に

 

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介護において、車椅子にはどのような役割があると思いますか?

多くの方は「移動をサポートする手段」とお答えになるでしょうが、車椅子の役割はそれだけではありません。

車椅子の種類や選び方をみていく前に、まずは役割やメリットを理解しておきましょう。

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ご承知のとおり、車椅子の基本機能は歩行が困難になった方の移動をサポートすることです。座った状態のまま目的の場所まで移動できるので、行動範囲が格段に広がります。

足腰が弱って歩けなくなると、家に引きこもりがちになる高齢者の方は多いですが、車椅子があれば外出もしやすくなります。

また、バリアフリーの住宅環境ならリビングやトイレなどへの移動もスムーズですし、移動介助の負担も軽減できるでしょう。

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車椅子はベッドやトイレなど、さまざまな場所に乗り移る際にも大きな助けとなります。

身体が思うように動かせない方にとって、「ベッドから降りる」「便座に腰かける」といった動作はとても難しいものです。日常生活には、こうした特定の場所から「移る」場面は多いですが、車椅子が介在することで安全かつスムーズにおこなえるようになります。

車椅子の足置き部分(フットサポート)やひじ置き部分(アームサポート)がとり外せる仕様のものなら、移動先に近づけやすくて便利です。

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車椅子には利用者の体力低下を防ぐ役割もあります。

歩行能力が低下すると行動範囲が狭まり、人によってはベッドからほとんど動かない生活になってしまうことも。そうすると、足腰の筋力がさらに低下するばかりか、全身の身体機能も衰えやすくなります。

その点、車椅子には体幹を鍛える効果が期待できます。座位を保つことは腹筋や背筋など腰まわりの筋肉に刺激を与え、衰えがちな体幹の低下を防ぎます。また、寝たきりでいるより運動量が増えるので、心肺機能にもよい影響があるでしょう。

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車椅子によって行動範囲が広がると、利用者のメンタル面にもポジティブな変化があらわれることがあります。

歩行困難になると、身体の辛さから活動する気力が失われてしまい、気分が塞ぎこみがちになる方が多いです。心身ともに活力がない状態が長く続くと、病気の進行を早めたり、認知症のリスクを高めたりするので看過できません。

車椅子があれば、リビングに行って家族と団欒したり、ダイニングで食事をしたりすることができます。少しでも自立した日常生活が送れるようになり、まわりの人とコミュニケーションをとる機会が増えれば、寝たままの状態より意識がはっきりして気力も高まるでしょう。

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では、車椅子にはどのような種類があるのでしょうか。介護で用いられる主なタイプをご紹介するので、選ぶ前の予備知識としてチェックしておきましょう。

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車椅子を大別すると、利用者が自分で操作する「自走用」と、介護者が操作する「介助用」に分けられます。

自走用の車椅子には、大きな後輪の外側に「ハンドリム」という輪っか状のハンドルが付いていて、自分でそれを操作します。前進・後進のほか、転回させることも可能です。

また、大きなハンドリムを両手で操作するタイプ以外に、足を使って漕ぐタイプもあるので、身体状況に応じて選べます。

自走用ではありますが、背部には手押し用のハンドルも付いているので、要所要所で介護者がサポートできます。サイズは介助用車椅子よりやや大きめのものが多いです。

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介助用の車椅子は、介護者が後ろの手押し用ハンドルを操作して動かします。自走式より車輪がコンパクトで、ハンドリムは付いていません。

基本的に介助者が操作しやすい仕様になっていて、ハンドル部分にはブレーキが付いています。

自走式より小さめなので、狭い場所でもとりまわしやすいでしょう。

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以下のように、身体状況に応じてさまざまな機能が備わっている車椅子もあります。

 

  • モジュールタイプ
  • リクライニングタイプ
  • ティルトタイプ
  • 電動タイプ

 

モジュールタイプは各パーツが可動式になっていて、角度を細かく調節できます。座位をうまく保てない人でも、モジュールタイプなら姿勢が安定しやすいように微調整が可能です。

背もたれが倒せるリクライニング機能や、座面と背もたれの角度をキープしたまま傾けられるティルト機能が付いているタイプは、自力で座ることができない方に適しています。姿勢を変換させられるので、床ずれ予防にも効果的です。

電動タイプは手元に設置されたジョイスティックを操作して移動します。手先が動かせれば操作できるので、ハンドリムを動かせない方でも自分で移動することができます。

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次に、さまざまな選択肢がある車椅子のなかから、最適なタイプを選ぶポイントをご紹介しましょう。

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まずチェックしておきたいのが、車椅子を利用する方の体格や身体状況です。

車椅子を安全かつ快適に利用するには、体格にフィットすることが肝要です。たとえば小柄な方だと、床から座面までの高さやアームサポートの位置などサイズが合わない場合、安定した座位姿勢を保てなくなります。

不適切なサイズだと車椅子から落下するリスクもありますから、「標準サイズなら大丈夫だろう」などと安易に決めてしまうのはNGです。また、ハンドリムを動かせる力の有無や、自力で座位を保てるかといった身体状況も見極める必要があります。

最も重要なポイントでもあるので、自己判断はせず、福祉用具の相談員や介護福祉士といった専門家に随時相談しましょう。

利用場所・目的

車椅子の使用環境についてもあらかじめ確認しておきましょう。主に屋内で利用するなら、住宅や施設の廊下の幅や、バリアフリーの整備状況を考慮に入れる必要があります。

屋外での利用を想定しているなら、軽量で折りたたみができるタイプが何かと便利です。

サイズ調節が可能か

高齢者は体調の変化などで痩せたり太ったりするため、途中から車椅子のサイズが合わなくなることあります。

そのような身体状況の変化に備えるには、座面の高さや幅、フットサポートの位置などを簡単に調節できるタイプがおすすめです。

安全に車椅子介助をするコツと注意点

さいごに、車椅子を安全に介助するコツと注意点をお伝えします。

車椅子の介助は簡単そうにも見えますが、適切に操作しないと転倒や思わぬ事故につながる危険性があります。どれも基本的なことなので、車椅子の介助に慣れていない方はチェックしておきましょう。

声かけをしながらゆっくり操作する

車椅子介助で常に意識しておきたいのは、「声をかけながらゆっくり操作すること」です。

車椅子に座っている人の目線は低いため、立っている人よりスピードが速く感じますし、池面の振動も大きく伝わります。ですから、車椅子の操作は「ゆっくり目」を意識しましょう。

また、何も言わずに急に方向転換すると車椅子に乗っている人は不安に感じるので、こまめな声かけを心がけることも大切です。

移動しないときはブレーキをかける

車椅子を動かさないときは必ずブレーキをかけましょう。ブレーキをかけていないと、傾斜がある場所で動き出してしまったり、乗り降りの際に転倒しやすくなったりして危険です。

急な坂道は後ろ向きで進む

上り坂は基本的に前向きに進みますが、下り坂では注意が必要です。

勾配がきつい下り坂を前向きに進もうとすると、車椅子に乗っている人は落下しそうな感覚になり不安にさせてしまうので、車椅子を後ろ向きにして進みましょう。ブレーキを使い、スピードをコントロールするとより安全です。

段差ではティッピングレバーを使う

小さな段差を乗り越えるときは、ティッピングレバーを片足で踏み込んで前輪を上げるのがコツです。ティッピングレバーは介助者の足元にあります。

ティッピングレバーを踏み込んだまま手押し用のハンドルを押し上げれば、前輪が持ち上がるので、ゆっくりと段差の上に乗せましょう。後輪は持ち上げず、そのまま乗り上げるようにして前進させます。

段差を降りるときは車椅子を後ろ向きにし、後輪からゆっくり降ろします。続いて前輪を降ろす際はティッピングレバーを踏み、前輪を宙に浮かせた状態で少し下がり、静かに降ろしましょう。

手足の巻き込みやパンクに要注意

車椅子の操作に気をとられていると、乗っている人への気配りが不十分になることがあるので注意が必要です。

たとえば、タイヤに手を巻き込んでしまったり、足がフットサポートから落ちて挟んでしまったり。大変危険ですから、車椅子の介助中は、乗っている人の状態をこまめに確認するようにしましょう。

また、車輪がパンクすると転倒しやすくなり、大ケガにつながってしまいます。利用する際は、車輪のすり減りや傷などがないかチェックしましょう。パンクは自転車屋さんで修理できる場合もあります。

福祉用具貸与でレンタルしている場合は、レンタル元に相談することをおすすめします。

利用者に合った車椅子で移動を安全・快適に

車椅子は、身体の自由が利かなくなってきたご高齢の方や、病気の方の生活の質を高める重要な福祉用具です。利用者や使用環境に合うタイプの車椅子をとり入れれば、移動がスムーズになり在宅介護の負担軽減にもつながります。

とはいえ、福祉用具の選択は難しいこともありますから、ケアマネジャーや福祉用具の専門家に相談しながら、より良い在宅介護の環境を整えていきましょう。

(文・ 吉村綾子)

監修者:山岸駿介

理学療法士。臨床経験は7年。
急性期から慢性期、スポーツ分野など幅広い分野を経験。医療・介護・スポーツなど幅広い分野のリハビリに携わり、老若男女に正しい運動で、健康的な生活を送るサポートしている。